会長メッセージ

中家徹(JA全中会長)

はじめに

 このたび、8月10日に開催された臨時総会でJA全中会長に選任されました。
 現在、農業、農村、そして我々JAグループも厳しい試練のときを迎えていますが、農業者の所得増大・農業生産の拡大・地域の活性化の実現に向けた自己改革を成し遂げることを最大の使命とし、一所懸命、全身全霊をかけて職務に邁進してまいります。

自己改革の完遂

 これからの3年間は、JAグループの将来に大きな影響を与える重要な時期であります。総力をあげて自己改革を完遂するには、JAグループの全役職員が危機意識を持つことが重要です。組合員から「JAは無くてはならない必要な組織」との評価を得ることができれば、組合員のJAへの結集力が高まり、協同組合の原点に立ったJAとして、新たな出発をすることができると確信しています。
 改革の一丁目一番地は、農業者所得の増大であります。わが国の多種多様な農業の実態を踏まえ、営農・販売事業の強化に取り組んでまいります。このことが、担い手や後継者の確保につながり、農業生産の拡大にもつながっていくものと考えています。
 また、食料・農業・農村基本計画には食料自給率の目標が設定されていますが、現在、必要な食料の半分程度は海外から輸入しており、食料安全保障の観点からも、消費拡大運動等を通じた国産農畜産物の需要拡大に取り組んでいくことが重要であります。
 一方、改革をすすめるにあたって、30年産米以降の生産調整の見直しや日欧EPA交渉の大枠合意による影響など、喫緊の課題への対応が求められています。生産者の不安や懸念を払拭するため、JAグループ内での十分な議論を踏まえ、政府等との対話を重視しつつ、現場の実態や品目ごとの特性に応じ、「生産者にとってプラスとなる」対策の確立をはかっていきます。

総合事業の堅持・地域の振興・活性化

 我々は先のJA大会において、農協改革が求められるなかにあっても、JA綱領にもとづき、「JAは食と農を基軸として地域に根差した協同組合」であることを確認しております。
 全国のJAグループでは、採算が厳しい地域でも農産物直売所やAコープ、JA-SSの運営や、買い物難民対策として移動購買車を導入するなど、地域の生活インフラを支えています。
 このようにJAグループが行う事業は、営農・販売事業などとあわせ、組合員の暮らしとも密接に繋がっており、総合事業の仕組みを堅持する必要があると考えています。これからも地方創生の一翼を担い、地域の振興・活性化を実現するという大きな役割を果たしていく必要があります。
 また、JAの力の源泉は組合員にあります。協同組合の原点に立ち返り、事業や活動を通じて、あらためて組合員とのつながりを強化するとともに、協同組合の理念を理解し行動する人づくりをすすめていきます。
 准組合員に対しても、地域農業の応援団として、JAへの積極的な事業利用と協同組合活動への参加をすすめていきます。

JAグループの結集軸となる一社全中の構築

 全中は、平成31年9月に一般社団法人に移行することとなります。これから県中・全中をあわせた中央会系統はどのような機能発揮・役割分担をしていくべきか、同様に、全国連との連携をどのようにすべきか、組合員・JA・会員などからの声を十分踏まえ、全中の機能や事業の改革をすすめてまいります。
 現在の難局を乗り越えるためには、JAグループが一枚岩となって対応していくことが極めて重要です。JA-県段階-全国段階という縦軸と、中央会・連合会の横軸をしっかり連携することが重要であり、その結集軸となる全中を構築してまいります。
 JAグループの結集軸としての一社全中を構築し、現場のJA、都道府県中、全国連との連携をさらに強化していくことが必要です。
 また、食料、農業、JAや協同組合についての国民理解を促進していくため、全国連と一体となった広報対策をすすめていきます。
 昨年、協同組合の思想と実践が、ユネスコの無形文化遺産に登録され、世界的に協同組合の価値が認められています。しかし、日本ではその理解がすすんでおりません。他の協同組合との連携を深め、理解醸成に努めていきます。

さいごに

 農業、農村、そしてJAグループをめぐる難局に立ち向かい、将来への展望が開けるよう、粉骨砕身、全力で取り組んでまいります。今日のピンチを、これからのチャンスに変える絶好の機会ととらえ、自己改革の取り組み状況を検証するとともに、実践を加速してまいります。

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