世界の水が不足している
四大文明は大きな川のそばで生まれた
みんなは四大文明(よんだいぶんめい)というコトバを聞いたことがあるかな? 数千年前、世界ではとっても大きな川のそばにとっても大きな4つの都市が生まれました。人びとはりっぱな水路をつくり、農地をひらき、たくさんの農産物をつくりました。「文明」というのはたくさんの人間のちえや技術を使っていろいろなモノをつくり出し、豊かなくらしをするってことなんだよ。
都市にはたくさんの人が集まって、いろいろな仕事をして生活していました。川の水は農業のほか、飲み水やお料理、洗たくに使われるなど、生活にはなくてはならないものでした。それから、商人がいろいろなモノを運ぶためにも川は大切なものでした。船が行き来するために使われていたんだよ。
ところがです。今、四大文明が生まれたこれらの大きな川で、「水不足」が大問題になっています。
中国の黄河(こうが)の流れがとぎれた!
中国の人びとにとって、大地をうるおしてきた黄河(こうが)の流れは大きなほこりでした。中国の北部では、黄河の水を使ってコムギ、ダイズ、トウモロコシなどの穀物(こくもつ)がたくさんつくられています。
ところが、10数年前から、この黄河の流れがとちゅうでとぎれてしまう「断流(だんりゅう)」が起こるようになり、農家がとてもこまっています。1997年には河口から700キロのところまでしか、水がこなくなってしまったそうです。
ゲン君とさくらちゃんは、農家におはなしを聞くために黄河の河口にある農村に出かけていきました。
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「川の水がかれてしまって、水がこないんだ。大切なおじさんのうちの畑はひからびてしまった。コムギもダイズもつくれない。」 |
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「畑に白いこながふいてます!」 |
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「そうなんだ。土の中の塩分がふき出してしまってね。」 |
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「塩害(えんがい)だ! ボクこんなに白くなったのは初めて見ました。お父さんに教えてもらったよ、植物が育たなくなっちゃうんだ。」 |
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「そうなんだ。土の中の塩分がふき出してしまってね。おじさんは泣きたいよ。」 |
ゲン君もさくらちゃんも、胸(むね)がつまって何も言えなくなってしまいました。
揚子江(ようすこう)の水を黄河(こうが)に引く50年プロジェクト
中国では豊(ゆた)かな生活をめざして、1950年代(今から50年ぐらい前)に新しい水路をたくさんつくり、広大な畑をつくりました。そして、一所けん命にムギやトウモロコシなどの穀物(こくもつ)をたくさんつくりました。
しかし、農家がたくさん水を使ったので、黄河(こうが)の水が足りなくなってしまいました。黄河の水の7割以上が農業に使われているのです。いちばんこまっているのが、下流の農家。上流でたくさんの農業水を使うと、下流まで水がこないのです。
しかも、中国の人口は約13億人(世界の5人に1人が中国人!)。食べものをたくさんつくらなければなりません。それに、地球温暖化(ちきゅうおんだんか)のせいで気温が上がって、川の水がたくさん蒸発(じょうはつ)するようになりました。このままいくと2020年には黄河の水がなくなってしまうぞ! とみんな心配しています。
そこで中国では、揚子江(ようすこう)という中国で一番長い川から、黄河(こうが)へ水を引く水路をつくり始めました。2002年12月から始まったこのプロジェクトは「南水北調(なんすいほくちょう)」という名前がつけられました。中国の南の水を北に流すという意味です。揚子江の流れる中国の南の方は、水の量は多いのですが農地が少ないので、農業がさかんで、人がたくさん住んでいる北に水を送ってあげようということになったのです。
しかし、これはとっても大きなプロジェクトです。ぜんぶ終わるまでに50年かかるかもしれない! といわれています。
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