文字サイズ

インフォメーション

農林水産省とJA全中がコラボイベントを開催!「改正食育基本法」について同省消費者行政・食育課からご寄稿

JA全中

農林水産省とJA全中が7月下旬に開催したコラボイベントの模様をご紹介します。また、農林水産省消費者行政・食育課より「改正食育基本法」についてご寄稿いただきました。ぜひご一読いただき、「食育」への理解を深める機会としていただければ幸いです。

1. 農林水産省とJA全中がコラボイベントを開催!

消費者へ向けて、農水省の施策とJA全中の「国消国産」をPR

 農林水産省は、令和8年7月21日から24日にかけて、農林水産省内「消費者の部屋」において、キッチン開設を記念した「国民理解醸成・行動変容に向けた取組×JA全中『国消国産』~消費者の部屋 キッチン開設記念・国産を味わおう~」を開催しました。期間中、約900人が来場しました。
 同イベントではミニ講座と試食等を実施しました。JA全中からは「国消国産」をテーマにしたミニ講座を2日間にわたって行いました(写真)。同省を訪れた小学生親子らは、ミニ講座や展示を通じて、「国消国産」やおにぎり、牛乳について理解を深めました。試食では、JA全中が提供した長野県産コシヒカリや牛乳を使用した「塩おにぎり」と「レモンミルク鍋」が振る舞われ、参加者からも好評を得ました。
 21日には、鈴木憲和農林水産大臣も同イベントに出席し、児童らとキッチン開設を記念したテープカットや試食を通じて交流しました。参加した親子が大臣に対し、「国で消費する食べ物を国で作ることの大切さを学べました」と話す場面も見られました。
 JA全中は、10月と11月を「国消国産月間」と位置付けており、今後もイベントの開催や情報発信の強化を進めてまいります。

2. 「改正食育基本法」について

農林水産省消費・安全局消費者行政・食育課様からご寄稿

 今年の5月、食育基本法が改正されました。
 法制定から約20年が経過し、①食卓と農の現場の距離の拡大による生産者と消費者の関係の希薄化、大人世代での栄養バランスの偏りや食習慣の乱れなど、食や農を取り巻く環境が大きく変わったことや、②一昨年に、「食料・農業・農村基本法」が改正され、食料安全保障の確保が基本理念の柱として定められるとともに、食料の持続的な供給に資する物の選択に努めるという消費者の役割が明確化されたことに対応するもので、消費者が食と農への理解を一層深め、国産品、地場産品の農産物を進んで選択したり、農業を続けていくことが可能なコストを負担するといった具体的な行動変容につなげていくため、食育を健康増進のみではなく、食料安全保障の確保にも資するものに強化する改正と言えます。

① 食料安全保障の確保にもつながる食育へ
 改正のポイントは4つあります。
 1つ目が、食料安全保障の確保です。食育が食料安全保障の確保にも資することを目的規定や基本理念に追加し、食べ物がどのように作られ、流通しているのか、各段階でどのくらいのコストがかかっており、表示されている値段になっているのかを消費者の方々に知っていただき、食料の合理的な価格の形成について理解を深めることも食育の基本理念ということが明示されました。

② 学校での「農林漁業教育」を新たに規定
 2つ目が、学校等における食育の強化です。まず、学校における食育の中核的な役割を担う「栄養教諭」が明示されました。また、学校、保育所等における食育の推進において「農林漁業教育」が規定されました。これにより、農林漁業体験活動や、各教科等の時間における生産現場等に関する指導により、生産現場の現状などについて理解と関心が高まり、農林漁業に従事されている方々を食料消費などを通じて支えていこうという意識が醸成されることが期待されます。
 また、「農林漁業教育」の実施に際し、学校の教職員にすべてを任せるのではなく、農林漁業者やその関係団体等の外部人材を活用することや、その推進のため、地方公共団体における教育部局と農政部局との連携の確保についても規定されました。これにより、農林漁業者、JAグループ等の関係団体、地方公共団体の農政部局による学校現場での食育への積極的な参画が期待され、農林水産省としても、農林漁業教育をサポートする人材の整理・発掘のための取り組みや、指導に活用できる補助教材の検討などを進める予定です。

③ 大人の食育」が本格始動! 職場や大学も舞台に
 3つ目が、「大人の食育」運動の推進です。朝食欠食率が高く栄養バランスの偏りが目立つ20歳代から30歳代の「働く世代」へのアプローチを強化する観点から、改正法では「大人」世代における食育ということで、食育の場として「大学」や「職場」が追加されました。また、民間企業を巻き込んだ食育の推進のため、官民連携に関する規定が新たに追加されました。

④ 国・地方ともに取り組みを「見える化」して食育を推進
 4つ目が、食育推進基本計画を通じたPDCAサイクルの確立です。第4次食育推進基本計画において設定した目標の多くは未達となっており、こうした状況を受け、目標の達成状況について、毎年調査・公表を行うこと、施策の効果に関する評価を踏まえて、計画を5年ごとに変更することが法に明記されました。このため、法改正後、今年の6月に食育推進会議で決定された第5次食育推進基本計画における目標については、その達成状況の調査・公表、背景・要因の分析、評価等によりPDCAサイクルに基づく取り組みを実施予定です。
 また、地方公共団体の食育の取り組み状況に差が生じていることを踏まえ、それぞれの地方公共団体の食育の取り組み状況の「見える化」に関する規定も追加されました。

【図1】改正食育基本法のポイント

【図2】第5次食育推進基本計画の目標と具体的な施策

最後に

 食料安全保障の確立には、消費者の理解と行動変容が不可欠です。
 改正法を踏まえた食育の推進により、生産現場に関心を持って理解し、消費を通じて支えていく消費者が増えていくことで、農林漁業の現場の後押し、良質で安定的な農林水産物の生産、それによる食料安全保障の確保などがもたらされていくと考えます。
 JAグループにおかれては、これまで国消国産、農業体験等をはじめとしたさまざまな食育活動に取り組んでいただいておりますが、食育基本法の改正も踏まえて、ますますの取り組みを期待するとともにお願い申し上げます。

記事一覧ページへ戻る