「全国高校生 農業アクション大賞」について
JA全中は毎日新聞社と連携し、農業高校(農業系学科があるなどの関連高校を含む)の生徒たちがグループとなって取り組む「農」や「食」に関するプロジェクトや課題研究を「全国高校生 農業アクション大賞」として支援・顕彰しています。
農家の人たちなど地域と連携して実践する3か年の計画を募集し、毎年度15グループを認定。優れた実績を残したグループには、3年目に「大賞」や「準大賞」を贈ります。
奨励賞
栃木県立栃木農業高校 農業環境部地域デザイン班
蔵の街・栃木市はかつてホウキモロコシの産地として知られ、江戸時代末期から続く「座敷ほうき」は県の伝統工芸品に指定されています。最盛期に1,000人以上いたほうき職人は2人に減り、ホウキモロコシの生産者も2戸に減ってしまいました。
「働き者でべっぴん、整美にして弱ならず」と言われるほうきの魅力を後世に伝えたい――。この思いが、活動の起点になりました。
栽培研究では、除草をする「除草剤区」と、雑草を生やしたままにしておく「草生栽培区」の両方を試しました。草生栽培は、収量は低いものの、品質や害虫被害に関しては良い結果が出ました。有機栽培に向けて緑肥作物の研究にも取り組み、マメ科植物特有の根粒菌が土壌中の窒素を4倍、リン酸を2.8倍、カリウムを1.4倍に増やすことを実証しました。実際の栽培では、26%の収量増加と、害虫発生率の25%の減少を実現しました。
山村部の耕作放棄地のフィールドワークにも取り組みました。生涯学習活動の一環として地域の皆さんに参加してもらい、3aの規模で播種から収穫、ほうきづくりの学習会まで、一貫して行いました。小学校への出前授業を年に6回実施、次世代の担い手を視野に入れた取り組みにも余念はありません。
もう一つ力を入れているのはビジネスモデルの構築です。マルシェでのほうき販売に加え、「高校生模擬起業グランプリ」を通じてオンライン販売にも着手。「無印良品Webマガジン」でも紹介されるなど、動きは具体化しています。

圃場の前で、自慢のほうきをPRする生徒たち
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