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JAの未来を拓く13のキーワード

小林 元 著
JA全中

 「JA全国大会」は、おおむね3年に1度開催され、今後のJAグループの目指す姿や方向性を、JAグループの全ての組織が確認する場である。2024年10月に開催された第30回大会をふまえ、2025年度からの3年間は、大会で確認した内容をJAグループの全ての組織が取り組む期間と位置付けている。

 本書は、少子高齢化や組合員数の減少など、JAを取り巻く環境を整理した上で、新たな食料・農業・農村基本法のポイントや、環境に配慮した農業生産など今後の農業の展望を示している。

 農業やJAを取り巻く環境が変化するなかで、JAに何ができるのか、何を求められるのか。本書は、第30回JA全国大会で主題とした「組合員・地域とともに食と農を支える協同の力」に、食と農に立脚した協同組合組織としてのJAの姿が表れていると示す。さらに、副題とした「協同活動と総合事業の好循環」について、総合事業を特徴とする協同組合組織であるJAにしかない強みであると高く評価している。
 農業やJAを将来へ繋ぐには、JAに期待する准組合員に積極的にアプローチをかけ、JAの仲間づくりを広げ、活動から事業へ、事業から活動への好循環を生み出すことが重要であると指摘する。特に、人口のボリュームゾーンであり、近い将来の地域社会やJAの「主人公」となる第2次ベビーブーム世代(50歳前後)へのアプローチなど、具体的な提言も多くなされている。今後のJAのすすむ道、地域社会のあり方を考えるうえで必読の一書。

(評 JA全中広報部)

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