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若者がみつめる農・食

農・食の未来を拓く高校生・大学生の研究

町の風景をイメージさせるスイーツづくり

~北海道標茶しべちゃ高校 牛乳班の挑戦~
JA全中

「全国高校生 農業アクション大賞」について
 
 JA全中は毎日新聞社と連携し、農業高校(農業系学科があるなどの関連高校を含む)の生徒たちがグループとなって取り組む「農」や「食」に関するプロジェクトや課題研究を「全国高校生 農業アクション大賞」として支援・顕彰しています。
 農家の人たちなど地域と連携して実践する3か年の計画を募集し、毎年度15グループを認定。優れた実績を残したグループには、3年目に「大賞」や「準大賞」を贈ります。

奨励賞 北海道標茶高校 牛乳班

 北海道標茶町の生乳生産量は全国3位ですが、牛乳を使った町の特産品が少ないことに気付きました。
 最初はナチュラルチーズの製造に挑戦しましたが、その過程で出る黄色い「ホエー(乳清)」が使い道もなく捨てられていることを知ります。ホエーの栄養価は学術的に証明されています。ここに着目しました。
 ホエーを原料にした数種のスイーツを試作し、校内アンケートで1番人気を得たガトーショコラを作ることに決定。標茶に広がる雪原のイメージを生かし、白チョコレートを使用しました。食感にインパクトを付けた方がよい、という町の喫茶店のアドバイスで、素材にリンゴを加えました。
 試作ではホエーの黄色みが出てしまうなどの失敗を重ねましたが、湯煎焼きの技法で、「ふわふわ」感としっかりした食感を出すことに成功します。商品名は「ガトー・ド・ネージュ」。「雪の焼き菓子」の意味です。
 町のPRにつなげるためには消費拡大が必要です。「ガトー・ド・ネージュ」の栄養成分の分析を公的機関に依頼し、一般的なチョコケーキに比べ低脂質・高たんぱくであることを実証しました。またユーチューブチャンネルの開設や、標茶での生活を題材にしたゲームの制作といったユニークな取り組みも光ります。牛乳の需要拡大を視野に、町外の中・高校生を対象にした「体験授業」にも取り組んでいます。
 もう一つ、見落としてはいけないことは、製品ロスを極力減らす取り組みです。製造工程や経営管理の徹底で、各種イベントでの販売では毎回、売れ残りゼロを達成。「フードロス」の課題にも向き合っています。

乳牛をイメージさせる、おそろいのエプロン

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