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JAグループ全国機関のトップに、若手時代のエピソードをシリーズで伺います。
歩んできた経験を通して、JAグループをより知る“Start”にしていただければ幸いです。

日本農業新聞の港義弘会長 後編

学びがつながり、経験が力になる/変わり続ける力が、未来をつくる

JAトップたちの若手時代を聞く
 JAグループは、全国約1,000万人の組合員に向けて多彩な事業を総合的に展開し、日本の食と農、そして地域社会を支えています。本企画では、JAグループ全国機関のトップたちに、シリーズで自身の若手時代のエピソードを伺っていきます。
 仕事を重ねながら歩んできた経験に触れ、JAグループをより知っていただく“Start”にしていただければと思います。
 前回に続き、日本で唯一の日刊農業専門紙であり、食と農の総合情報メディアとして、またJAグループの情報受発信センターとして国内外の農業情報を発信している日本農業新聞の港義弘会長にお話を伺いました(前編は8月から公開中)。

学びがつながり、経験が力になる

 これまでの経験を振り返ると、身に付けた知識が後になって大きく生きた場面が何度もありました。30代半ばから後半の頃、法務・会計・税務・社会保険と幅広い分野を一通り学んでいました。その中で印象に残っているのが、法人税申告書に関する説明会の講師を任された時のことです。大型連休明けに開催される予定で、連休中は自宅にこもって準備に取り組みました。
 当時は、法人税の仕組みがどうも腑ふに落ちず苦戦していましたが、勉強を続けるうちに、ある瞬間すっと理解がつながりました。それまで点だった知識が一気に線になり、非常に楽になったのを覚えています。この経験をきっかけに、会計の仕組みと税法の関係を体系的に理解できるようになり、申告書の作成にも自信を持てるようになりました。さらに、青色申告の相談など、農家の皆さんからの質問にも具体的に対応できるようになったことは、大きな手応えでした。
 知識と経験は香川県が県域JAに合併した後も大きく役立ちました。ガソリンスタンドとLPガスの事業を会社化する案件がありましたが、1年以上停滞していたところ急にわたしが担当することになりました。議論を重ね、さまざまな方法を模索しましたが、なかなか前に進みません。転機となったのは、先進地の視察でした。そこで得た気づきをもとに、人事制度と事業スキームを会社設立とは切り離す発想に切り替えました。その結果、約3か月で子会社を設立し、その後の職員の転籍や事業移管を円滑に進めることができました。
 こうした経験から強く感じるのは、問題意識を持って考える力やさまざまな業務の積み重ねの重要性です。特に若い世代の皆さんには、目の前の事象について「なぜこうなっているの」と一歩踏み込んで考えたり、自ら調べたりする習慣を大切にしてほしいと思います。知識はあればあるほど役に立ちます。知識を吸収しながら考える力を養うことで、将来、管理職として意思決定を担う場面でも大きな強みになるはずです。
 また、仕事以外の時間も同じくらい大切です。わたしは子どもの頃から10代後半まで夢中になった囲碁を社会人になって再開しました。碁会所に通い、職域対抗の大会にも出場し、県大会では団体戦で優勝した経験もあります。ゴルフに熱中した時期もあり、同僚や先輩、また異業種の方々と過ごす時間の中で多くの刺激を受けました。仕事から少し離れたところでの経験が、息抜きだけでなく、仕事の視野も広げてくれると感じています。

広報誌に登場した若手時代の港義弘会長

変わり続ける力が、未来をつくる

 JAグループは、これからも地域に必要とされ続ける組織であり続けると考えています。時代とともに形は変わっても、農業がある限り、その存在価値は失われないでしょう。しかし、従来のやり方を守るだけでは生き残れません。時代の変化を先取りし、時には失敗しながらも挑戦を続けていくことが不可欠です。日本農業新聞も時代に合わせて変化を重ねてきました。変わることを恐れない姿勢が、次の可能性を生み出します。
 若い世代の皆さんには、ぜひ積極的にチャレンジしてほしいと思います。新しい知識を身に付けることや、社会人としてのスキルを磨くことも、すべてが成長につながります。その積み重ねは将来、必ず自分の力になります。
 総合事業を展開するJAには、多様な分野で挑戦できる環境があります。その恵まれたフィールドを生かし、自ら機会をつかみにいってほしい。そうした積極的な姿勢が、個人の成長だけでなく、組織の未来を切り開く力になるはずです。

日本農業新聞の港義弘会長
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