文字サイズ

Start:

JAグループ全国機関のトップに、若手時代のエピソードをシリーズで伺います。
歩んできた経験を通して、JAグループをより知る“Start”にしていただければ幸いです。

農協観光の村本佳宜会長 前編

わたしのStartは「大学の就職課」/剣道の精神生かした業務推進

JAトップたちの若手時代を聞く
 JAグループは、全国約1,000万人の組合員に向けて多彩な事業を総合的に展開し、日本の食と農、そして地域社会を支えています。本企画では、JAグループ全国機関のトップたちに、シリーズで自身の若手時代のエピソードを伺っていきます。
 仕事を重ねながら歩んできた経験に触れ、JAグループをより知っていただく“Start”にしていただければと思います。
 今回は、組合員、地域住民の余暇や活動の充実やJA総合事業の推進活動の活性化に向けた旅行事業に取り組んでいる農協観光の村本佳宜会長にお話を伺いました(前編10月、後編11月公開)。

わたしのStartは「大学の就職課」

 JAグループに入ったきっかけは、大学の就職課から受けた一本の電話からでした。学生時代に打ち込んだ剣道で、面倒を見てくれていた先生が、就職先として当時の奈良県信用農業協同組合連合会(JA奈良県信連)を薦めてくださったのです。
 それまでは正直なところ、信連は就職先の選択肢にはありませんでした。JAの金融機関だと聞いたものの仕事のイメージが湧かなかったのですが、最終的に内定をいただき、信連で働くことになりました。

大学の卒業記念に剣道部の仲間と

 入会したのはオンラインサービスが始まって2年目で、採用者数も多かった年でした。しかし、借方・貸方をはじめ、金融の基礎知識がほとんどない状態でのスタートでした。自分の勉強不足を痛感し、「これはあかんな。まずは簿記を勉強しよう」と決意。終業後には専門学校、今で言うキャリアスクールに通いました。
 また、経済専門紙を読んだり、業務に必要な資格取得のために農林中央金庫のセミナーを受講したり、通信教育で学んだりもしました。職場で分からないことがあれば上司に何でも聞きました。多くのことを教わり、学ぶ機会を得られたのは本当にありがたく、支えてくださった上司の皆さんには心から感謝しています。
 信用部門では、比較的多くの部署を経験しました。営業推進、債権回収、貯金、為替、決算関連などのさまざまな業務を経験しました。異動期間は長くて3、4年間ほどでしたが、それぞれの部署で得た経験は、今でも自分にとって大きな財産となっています。

剣道に打ち込んでいた大学時代

剣道の精神生かした業務推進

 印象に残っている仕事と言えば、20代後半に管理課で担当した決算業務です。新たに税務についても学びましたが、特に仕事に生きたのは、終業後に専門学校で学んだ簿記でした。30代後半には全国初となる県域JAの発足に向けて合併準備室に所属しました。県内42JAを1つに束ねるにあたり、最も難しかったのが財務調整でした。財務内容がJAごとに異なる中、出資金に関するルールづくりにも携わり、JAや組合員に説明する機会もありました。
 総論では賛成を得られても、各論になると反対意見が出ることも少なくありませんでした。そうした状況にある中で理解と納得を得るため、上司に相談しながら助言を受け、一つ一つ課題を乗り越えていきました。
 その原動力となったのが、学生時代から続けてきた剣道で培った精神です。剣道の先生から教わった「一以之貫(いちをもってこれをつらぬく)」という言葉があります。これは頑固に自分の考えを押し通すのではなく、柔軟な志を持ちながら信念を貫くという意味です。
 わたしはこの言葉を胸に、相手との対話を重ねながら業務を進めてきました。

農協観光の村本佳宜会長
記事一覧ページへ戻る