「全国高校生 農業アクション大賞」について
JA全中は毎日新聞社と連携し、農業高校(農業系学科があるなどの関連高校を含む)の生徒たちがグループとなって取り組む「農」や「食」に関するプロジェクトや課題研究を「全国高校生 農業アクション大賞」として支援・顕彰しています。
農家の人たちなど地域と連携して実践する3か年の計画を募集し、毎年度15グループを認定。優れた実績を残したグループには、3年目に「大賞」や「準大賞」、「奨励賞」を贈ります。
災害時の家畜の安全な避難に目をつけ、地域資源の活用などとともに包括的にアプローチした。ユニークな取り組みは、尾木直樹審査委員長から「災害のニュースが多い中で、喫緊の課題に着目したおもしろさがあった。牛の命を助けるという大事なところに目をつけた」と高く評価された。
日光国立公園高原山のふもとにある自然豊かな放牧場を活用し、放牧牛の地域での消費促進に取り組んできた。しかし牛舎が土砂災害警戒区域にあることがわかり、災害リスクや持続性が課題だった。簡単に設置できる避難施設の構築など、有事を想定した家畜避難計画を策定し、ICTタグによる牛の行動モニタリングや血液検査によるストレス評価などを行い、科学的かつ実践的な避難訓練を実施した。1時間以内に全頭避難完了という具体的成果は、専門家からも高評価を得た。
食肉としての価値が低い放牧牛を、経産牛再肥育によって上質の赤身肉にして高付加価値化し、地元の食堂との弁当開発や食べ比べイベントを通じて地域に流通させる取り組みも行った。今後は出荷頭数を拡大して、栃木県矢板市内の子ども食堂や学校給食への提供など、さらなる普及を図る。
さらに、地元の酒かすを使った国産飼料づくりやバイオ炭による土壌改良など、環境に配慮した循環型畜産を展開。牛たちの命を守りながら矢板地域を守り、環境を守るという、三位一体の畜産モデルを生み出した。
(毎日新聞 2025年12月23日朝刊13面より転載)
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