食・農・地域の未来とJA
食から生まれる勝利!
農家の皆さんは、農業というフィールドで戦うアスリート
体づくりの基本は食と農
健康な体づくりの基本は、適切な運動、休養、食事です。今回は私が「食」の部分で大切にしていることをお話ししたいと思います。
どんなに一生懸命に運動しても、食事が偏っていては健康な体を維持するのは難しいものです。その食事の質を左右するのが、農家の皆さんが作ってくださる農畜産物だと私は思っています。
若いころから、一番の好物だということもあり牛肉をよく食べていましたが、野球選手としてはレギュラーとして活躍するために、体を大きくするのと同時に体調管理にも気を付けなければなりません。そこでバランスの良い食事を心がけるようになりました。また、体重を増やす段階から維持する段階へ変わっていくと、自分が何を食べるべきかを考えて食材を選ぶようにもなりました。そうしたとき、日本で作られた農畜産物は安全・安心で選ぶのが楽しいですし、新鮮な野菜や肉、季節の果物、海の幸など、豊かな自然が育んだおいしいものを安心して食べられることは、健康への第一歩だといつも思っています。
また、外国に行くと特に感じるのが、日本のお米や野菜、肉、魚がどれだけおいしいかということ。「日本人に生まれて良かったな〜」と食を通して感じることが多々あります。日本の農業は、その多様性と質の良さで世界的に評価されていますが、特に日本の農畜産物は細部にわたる栽培管理や工夫が施され、驚くほど高い品質を誇っています。
食と農業の関係は、ただの栄養供給にとどまりません。農業に携わる方々が長年培ってきた知識と努力が私たちの食生活を支えていますし、農家の皆さんの手によって育てられた食材は安全で安心できるものであり、私たちの体づくりに本当に欠かせない存在です。
さらに、地元の農畜産物を消費することは、地域経済の活性化にもつながります。地産地消は、環境にも優しく、持続可能な社会を築くためにも重要だと思っています。地元の農畜産物を積極的に取り入れることで、自分自身の健康だけでなく、地域全体の健康と発展にも寄与することができると良いなと考えています。
農家の皆さんは田畑のアスリート
日本の食を支える農業の担い手が減っているというお話を聞くこともありますが、私は大分県の出身で、小さなころから農業は身近なものでした。子どものころから農業に触れることはとても大切だと、大人になって感じています。
職業柄、子どもたちの野球教室に呼んでいただくことも多いのですが、先日は地元大分県で、野球教室の前に子どもたちとシイタケの収穫を体験し、収穫したシイタケで作っていただいた料理をみんなで食べました。子どもたちが楽しそうにシイタケ狩りを体験している姿はとても印象的でしたし、野球を通して農業の魅力をたくさんの方に知っていただけることは、私自身にとってもとてもうれしいこと。これからも続けていきたいと思います。

野球というスポーツは、個人対個人の戦いが最後はチームの勝敗を左右するスポーツです。その分、一人一人の責任が大きくなりますが、それは農業も同じだと私は考えます。農業もスポーツも、成功には多くの時間と努力が必要。スポーツ選手がグラウンドで戦うアスリートならば、それと同じく、農家の皆さんは農業というフィールドで戦うすばらしいアスリートだと思います。
食べる楽しみが活力の源
プロ野球選手時代には、キャンプや試合などで全国いろいろな地域に行かせてもらいました。ストイックな練習が続くキャンプや緊張感のある試合が続くシーズン中には、楽しみを見つけることがとても大切。私の場合は、その地域の特産品を食べることが楽しみの一つでした。前述の通り私は肉が好きなので、焼き肉を食べに行くことも多かったです。特に、キャンプや自主トレでよく訪れた宮崎県は「宮崎牛」が特産ですから、宮崎県に行くと週に3回くらいは焼き肉を食べていたような気がします。余談ですが、私の地元、大分県の「豊後牛」もおすすめですよ。
おいしい食事をすると本当に幸せな気持ちになりますし、「明日も頑張ろう!」という活力にもつながります。食べる楽しみって本当に大切ですね。
協同の精神
プロ野球選手として現役のときはやはり、チームであるという意識を大切にしていました。バッターボックスに立ったら個々かもしれませんが、野球は基本的にチームプレーです。選手同士グラウンドでは励まし合い、助け合い、みんなで協力しながら、勝利という同じ目標に向かって一つ一つの試合に大切に臨んできました。これがまさに「協同の精神」だと思います。一人ではできないことも、チーム一丸となってみんなで手を取り合うとできることってたくさんあると思うんですよね。
JAは、地域になくてはならない存在です。私もみんなに必要とされる、そんな存在になれるよう、これからも地域や野球界のために頑張っていきたいと思います。